財形貯蓄はメリットがあるか?【非課税に騙されるな】

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会社で財形貯蓄があるのですが、これはやった方がいいのでしょうか?

会社員の方は、財形貯蓄をしている方も多いと思います。

一般財形、住宅財形、年金財形とあります。

簡単に言うと、給与から天引きされて自動的に金融機関にそれぞれの用途で貯蓄される制度です。

今回、これらについてメリットとデメリットを把握したうえで、実際にやった方が良いかどうかについて考えていきます。

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財形貯蓄はメリットがあるか?【非課税に騙されるな】

財形貯蓄は、奨励金があれば、それがもらえる最小限の金額でやるのはOKですが、それ以上は不要です。

なぜやる必要がないのか、財形貯蓄のデメリットとメリットを見てみましょう。

財形貯蓄の大きなデメリット

金利が銀行預金と大して変わらない

例えば、私の会社の財形貯蓄である、ろうきんの金利を見てみます。

一般財形は0.015%、住宅財形と年金財形は多くても0.02%です。

これって相当安いですよね。

一般財形で毎月5万円、年間60万円入れても、43円しか儲かりません。

複利の力を使ったとしても、20年間で総額1,200万円を入れても17,975円しか儲かりません

ほぼ誤差ですね。

これに対して、非課税になると言っても、元々の利益が大してないので、20年総額の場合でも、3,000円ほど税金をはらまなくてよいだけです。

もしも、10年間毎月5万円をインデックス投資にして、年利を安定を見て2.5%としても、20年総額で3,453,439円増えます

税金がかかると言っても、利益に対して約20%かかるだけなので、それでも200万円近くは得をしていることになります。

また、積立NISA制度をうまく使えば、この税金についても非課税になります。

当然、インデックス投資はリスクはありますが、緩やかなインフレになりつつある現代なので、確実にジリ貧になる財形貯蓄よりは、投資におカネを回して、資産の拡大を図った方が良いでしょう。

元本保証にこだわりすぎると、お金の価値が相対的に下がっていくので、チャンスを生かしきれずに実質は損をしてしまうことになってしまいます。

引き出しが手間

お金を浪費する方にとってはメリットかもしれませんが、ここではデメリットとして扱います。

金融機関にもよりますが、引き出しが結構手間です。

通常の銀行預金であれば、ATMやオンラインバンキングで無料で引き出したり、お金の移動をすることもできますが、財形口座は手続きが必要です。

時間も手間もかかりますし、さらに、引き出しの手数料もかかります。

せっせと貯めた利息が一瞬で吹き飛んでしまいます。

また、引き出せるのはそもそも一般財形のみで、住宅財形や年金財形は特殊な理由がないとそもそも引き出しができません。(解約になる)

利息が出ないし、資金拘束もあるしで、ある意味最悪のお金の置き場です。

財形貯蓄の小さなメリット

では、なぜ新入社員は財形貯蓄に入ってしまっているのか、一般的に言われているメリットについて解説します。

財形奨励金がある

唯一、財形をやってもよいメリットです。

私も、この奨励金をもらうためだけに財形をやっています。

一般財形は月に1,000円、年金財形は月に2,000円とかそんなもんです。

それぞれ、年間5,000円から10,000円ほど奨励金をもらっています。

このための最低金額であれば、やってもよいです。

非課税枠がある

一般財形、住宅財形、年金財形、すべて共通して、ほぼ意味ないでしょう。

そもそもの利子が低すぎるので、誤差ぐらいしか利息がありませんので、それに対する20%の利子が非課税になったところで、誤差です。

住宅財形の残高10倍以内のローンが組める

通常の住宅ローンがある中で、そこまで重要ではありません。

ネット銀行が台頭してきて、楽天銀行やSBI銀行、じぶん銀行など、2019年時点で0.5%前後の超低金利で借りられる時代です。

審査をしなければならないのはありますが、マイホームを買おうとしている人であれば、多くが審査に対して問題はないのではないでしょうか。

そもそも、審査で引っかかるという場合は、マイホームの購入は待った方が良いのではないでしょうか?

財形貯蓄からの教訓

「みんながやっているからやる」ではいけません。

財形貯蓄は、奨励金をもらえることを除いては、ほぼやるメリットがありません。

「新入社員のころに何もわからずに、たくさん財形に入れている」という人は、見なおしてみると良いと思います。

奨励金が一番お得にもらえる最低金額か、思い切って全部解約でもよいと思います。

グローバルから見ると、日本人のマネーリテラシーはかなり低いです。

守りのおカネ(節約)はまだしも、攻めのおカネ(投資)に関しては、かなり悲惨な状況です。

学校では攻めのおカネについては教えてくれないので仕方ないかもしれませんが、これからの時代、自分一人で攻めて行かないといけない時代です

自分で主体的に学んで、おカネに関して攻めと守り、時には遊びもという形で、広く学んでいきましょう。

コメント

  1. ひがし より:

    一般財形が月に1000円、年間12000円で報奨金が年間5000円ということは割り算しておよそ41%が利率ということでしょうか。私も今年転職し、報奨金が3%つくということで月に2万円だけはじめました。管理人さんの会社の財形はとってもお得ですね。うらやましいです。

    • じょんじょん より:

      報奨金の制度は会社で全く異なりますね。
      うちの会社は一般と年金は定額です。
      カフェテリア制度のポイントみたいなのを使って申請する形です。